皮膚のことで皆さんの期待に応えます
医学部での卒前教育、附属病院での卒後臨床教育、大学院での研究指導で「皮膚科学」を担当します。
皮膚は、私たち人類にとって、社会との関わりの接点でありアイデンティティです。皮膚の健康が損なわれることに私たちは強い不安を感じます。皮膚のことで皆さんの期待に応えることが皮膚科学の役目です。
卒前教育は、医学生が皮膚科学と初めて出会う場です。純粋な知的好奇心と、冷静な知識と技術を通して社会に役立ちたいという思いの、どちらもが優劣なく尊いこと、そして、温かさと想像力とをもって患者さんに接することの大切さを、皮膚科学独自の視点で全ての医学生に伝えます。
卒後臨床教育では、将来の専攻に関わらず、全ての初期研修医の「皮膚科度」を上げ、一生役立つ視点を身につけてもらいたいと考えています。さらに、皮膚科を志望し未来の皮膚科を支える皆さんのために、家族や生活を大切にしつつプロフェッショナルとして成長できる場を用意します。次の世代が育つサイクルを一緒に回して、魅力あふれる皮膚科医を内外に送り出し続けたいと思います。
大学院での研究指導では、現象に親しみ、法則を真摯に解き明かしつつ、臨床医の視点で医療貢献の可能性を見逃さず、成果を提案することの喜びを、チームで分かち合いたいと思います。そして、将来の目標に応じたキャリア形成の機会を提供していきたいと思います。
皮膚科の道を選んでから今日にいたるまで、さまざまな角度から、一貫して、表皮をめぐる研究を進めてきました。
いま取り組んでいる皮膚科学最大のなぞは「皮膚炎の種類はどうやって決まるのか?」ということです。なぜ私はアトピーになるのか、なぜ若い頃はニキビができたのに今はもうできないのか。これまで免疫細胞のタイプが病気を決めると考えられてきましたが、最近、免疫細胞以外の関与がしだいに分かってきました。体表の微小環境が皮膚炎の種類を決めると考え、「表皮–免疫微小環境 (EIME)」という概念を、Nature Immunologyという国際学術誌に発表しました。
https://rdcu.be/bbMoH
この概念を、慢性炎症研究のプラットフォームとして育て上げ、選択的治療の開発に貢献することで、臨床と研究のハブとなるモデル教室をつくりたいと考えています。
職名 | 氏名 | 専門分野 |
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教授 | 大日 輝記 | 表皮生物学、水疱症、脱毛症 |
助教 |
山村 健太郎 |
皮膚外科学、皮膚悪性腫瘍 |