香川大学医学部在校生のご家族、ならびに関係される皆様へ
香川大学医学部長の西山 成でございます。この場をお借りいたしまして、一言ご挨拶申し上げます。
現在、医学科・看護学科・臨床心理学科の3つの学科を擁する香川大学医学部は、香川医科大学として開学してから45年の歴史を持ち、輩出した卒業生は香川県における地域医療のみならず、全国で医療や研究の第一線で活躍しております。これまで私達は学生の教育が最も重要であると考えてまいりましたが、今後も柔軟な思考力を持ち、これからのAI時代で必要とされる、自ら考え行動できる未来の医療人や医学研究者を育成していくことを目指してまいります。
新型コロナ感染症のパンデミックではかつて経験したことのないような時間が経過しましたが、その間に中高生であった若者の成長に対してどのような影響を与えたのかについては、いまだ明らかとなっていません。ご家族、あるいは関係者の皆様におかれましては、医学・看護学・臨床心理学の道を進まれたお子さまの成長された姿に期待されておられると同時に、ご心配もされておられるのではないかとお察し申し上げます。ポストコロナの時代に入学してくれた学生達に対し、我々もどのように適応し、対応していくべきなのか、正直、まだ模索しているような状況です。皆様とともに学生を見守り、これからの目まぐるしく行動変容が生じる時代に生き残っていける医学・医療人の育成に努めてまいりたいと考えております。
国家資格に必要な知識と診療の基本的技能の習得はもちろんですが、まずはAI時代に必要な人間作りに必要な多様な価値観と自由寛大な創造意欲を持っていただくことを目指します。そして何よりも、「奉仕の心とリーダーシップ」を兼ね備える、高い倫理観と豊かな人間性を持つ医学・医療人の育成を目指します。これには、独自性を持った綿密なカリキュラムに準じた授業や実習のみならず、部活動やボランティア活動、さらには国内外留学などの課外学習を通じ、倫理観や判断力、コミュニケーション能力を培うことが必要です。
これら学生行事や課外教育活動、さらにはデジタル化された高度医学教育の支援を目的とし、香川大学医学部では後援会が組織されております。一方、本年度より香川大学医学部キャンパスは講義棟より順次改修され、次世代に繋ぐ知の拠点として新たに生まれ変わりますが、これに合わせて教育環境をさらに充実させたいと考えております。つきましては、ご家族・関係者の皆様におかれましては、香川大学医学部後援会と医学部新キャンパス再開発に対し、篤志によるご寄附を賜りたくお願い申し上げる次第でございます。ご家族ならびに関係者の皆様とは密なコミュニケーションを保ちつつ、未来の高度医学・医療人の育成に全力で取り組んでまいる所存ですので、何卒ご協力賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
香川大学医学部長 西山 成